Story/fragment
その1.緊急事態・全員(第三者視点)
「本日は皆さんに重要なお知らせがあります」
「ふへ?」
それは普段と何も変わらない朝食の時間。
唐突に切り出したに、リュウは口に物を入れたまま顔を上げた。
「どうしたのよ、急にー?」
「な、何かあったの?」
2人の言葉には一度頷く。
それからゆっくりと口を開いた。
「・・・・お金がもう無いの」
「「「「「!!!???」」」」」
静かに放たれた言葉に全員が言葉を失った。
それから各々が先日の己の行動を思い返し、無言で視線を反らす。
どうやら資金が尽きた事に心当たりがあるようだ。
「多分、皆が今思い返した事を全部足した結果だからね」
「そんなスゲー使ったつもりはねぇんだけどな」
レイはガシガシと頭を掻くと肩を竦めた。
もため息をひとつ零す。
「まぁ、無いものは仕方が無いんだけどね。
とにかく・・・これからどうするか考えないと」
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作者コメ
旅において金欠は良くある話ですよね、という事で。
まぁシーダの森組が貧困に慣れているので何とかなりそうですが。
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その2.夢・ニーナ
「んー・・」
苦しそうな声。目が覚めて横を見ればニーナがうなされる姿があった。
悪い夢でも見てるのかな?眉根を寄せて今にも泣きそうな顔。
心配で手を伸ばせば不意に服を掴まれた。
「・・・め・・なさ・・・・」
「え?」
寝言、だよね?
「かー・・さま・・・ごめ、なさ・・。でも、わたし・・・」
そっか。ずっと気に病んでたんだね、ニーナは。
母様の事が大切だから、あんな別れ方したから、ずっと・・・。
「大丈夫ですよ、ニーナ。ずっと貴女を信じています。
だから今は気に病まず、ゆっくりお休みなさい」
ぎゅうっと強く抱きしめて耳元で囁けば、ふと眉根の力が抜けた。
まるで子供のような笑みを浮かべて・・・これで大丈夫、かな?
ああ、だけど───
「母様・・・かぁ」
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作者コメ
ニーナがきっかけで母への思いが・・!
という所迄しか思い浮かびませんでした。
姉妹揃って、人に対しては変に生真面目なのかもしれないなぁと思いつつ。
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その3.恐怖・レイ
怖くない、怖くなんて無い。
何度も言い聞かせて目を開けて・・・・背筋が凍る感覚。
ああ、うん。やっぱり無理なモノは無理なんだよね、本当に。
「人間、どれだけ頑張って無理しても苦手なモノってあるよね」
「ま、そうかもしんねぇな」
近くにいたレイが肩を竦めた。
「それを克服しようと思っても簡単には出来ないよね」
「そりゃあすぐには無理かもな」
「うん、だからね?その・・・・」
目の前のアイツ。
あれだけは本当に苦手な訳なんだけど・・・。
「 、お前はどっかに隠れとけよ」
「ご、ゴメンね。後よろしく」
「ああ」
レイの返事に心底安堵。
だって見るのも嫌なくらい、本当に駄目だから。
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作者コメ
やっぱり一度は書いてしまうG話。
奴はまさに恐怖ですよ。
ゲームプレイ中も、叫びながら戦ってました←
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その4.酒・リュウとレイとモモ(リュウ視点)
「ね、姉ちゃん?」
「んー?なぁにー??」
にっこり笑う姉ちゃんの姿。
何だか何時もと違うような・・・。
「 、大丈夫ー?顔が真っ赤よー?」
「うんー、平気ー」
にこにこ。まるで子供みたいな笑顔・・・どこかで見た事あった気がする。
考えて、砂漠で倒れる直前と同じだって思い出した。まさか体調悪い!?
「ね、姉ちゃん。もしかして気分悪いとか??」
「え?ううんー、そんな事ないよ。
どぉしたの?急にー」
“リュウこそ熱でもある?”って俺の額に手を当てた。
若干、普段より熱をはらんだ手。
「お、俺は大丈夫だよ」
「んーそぉ?」
「お前ら何してんだ?」
「あ!兄ちゃん!!姉ちゃんが・・・」
「は?」
イキナリだったからか、兄ちゃんは不思議そうな顔をしながら姉ちゃんを見た。
目が合うと姉ちゃんは嬉しそうに笑って手を振る。
「あー、レイー」
「・・、お前酒飲んだろ?」
酒?ってガーランドが良く飲んでる?
「うん。一口だけー」
「愉快だねぇ。一口で酔っ払うとかどんだけ弱ぇんだよ」
「むー、仕方ないじゃない。私悪くないもんー」
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作者コメ
下戸っぷりが書きたかったのですが、続きが思い浮かばず終了。
何時か別視点で再チャレンジしたい話です。
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