鳥篭の夢

ただいまとおかえりと/1



「え・・・・リュウ!!?」


久しぶりに見たニーナの顔は、信じられないって驚きの表情。

「やっほー、お久しぶりっ!」
「元気だった?ニーナ」
「あ、はい。元気は元気ですけど・・あの、えっと・・」

混乱した顔。あ、連絡とか何もしてなかったもんね。ビックリした?
でも前に来た事あったおかげで今回は顔パス。
ニーナにも伝えて貰ってこうやって会えたんだし・・良いよね?

「・・・ぁ・・嬉しいです。また2人に会えて、元気そうで本当に良かった。
でも連絡も無くて本当に驚いちゃいましたよ!来るって言ってくれれば良かったのに・・」
「ごめんね、ニーナ。でも世界を見て回りながらだったから・・」
「そうだったんですか。あ、それと、あの・・・・そちらの方は?」

そっち?・・・・って。

「あー、フォウル!何時までフード被ってるの!!」

こんなトコで全身でローブなんて被ってたら怪しいんだから!
そう思って、無理やり引っぺがす。銀色の綺麗な髪。アタシと違って金色のままの瞳。
うーん・・やっぱり綺麗だよね、フォウルって。

「フォ、フォウルさんっ!!え、だってあの時リュウとひとつになって・・・え?」
「また分かれたんだ。僕とフォウルと、2人に」
「・・・・だから、私などいても戸惑うだけだと──」
「良かったですね!リュウ」

言いかけた言葉はニーナの言葉にかき消された。驚いたみたいな顔。

「疑問に思わないのか?」
「そうですね・・疑問は沢山あります。あれから何があって、どうしてまた分かれたのかとか。
でもリュウが決めた事だから。前から、ひとつにならずに済む方法を考えていたとも言ってましたし。
それにほら、ひとつになってしまったらマミさんも悲しみますし・・・ね!」

“だからリュウとフォウルさんとして来てくれたのは嬉しい”ってニーナは笑う。
見慣れたニーナの笑顔。久しぶりだけど・・変わらない。すごく可愛いなぁって思う。

「・・・・・やはり、ヒトとはおかしなものだ」

でもフォウルも今は同じヒトなんだけどね?
それが何だか不思議でおかしくて、アタシも思わず笑った。

「そういえば、瞳の色が・・・。前は金色でしたよね。
それに、胸にも石?みたいなものが無かったですっけ」
「あ、うん。それはヒトに戻ったから」
「・・・・え?」

驚いたみたいに首を捻る。あー・・えっとねぇ、何て言ったら良いのかな?
考えてたらニーナが慌てたようにそれを止めた。ん?言わなくても大丈夫?

「いえ・・・でもこんな立ち話しながらの内容でも無いかなぁ・・って。
それにお疲れですよね?すみません。今、食事の用意をさせますね。
だから・・・・ゆっくり聞かせて下さい。あれからの事とかも、いっぱい」
「うん!」

話したい事、いっぱいあるよ。
あれから・・・竜を還してからずっと世界を見て回ってた。まだまだ途中なんだけどさ。
だけど、まだ途中なのに色々あって楽しいの。ゆっくり見て回るのって本当に楽しい。

「そうだ!今、クレイ兄さまが来てますよ。今お父様に挨拶しています。
後、そろそろだと思うんですけど、アースラさんも到着する筈です」
「本当!?」

わー、皆と会えるのも久しぶりですっごく楽しみ!!
流石にサイアスは・・・・いないよね、多分。
でも良いの。自分で探して会いに行くから!!



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