鳥篭の夢

集う縁・Ⅲ/手紙



「あの手紙・・・・・・どう思いましたか?」

“あの手紙”
セリスさんが見つけたあの鳥は伝書鳥で、手紙と造花をマランダへと届けていたのだとか。
その手紙の届け先である女性・・ローラさんと名乗られたその方に詳しく話を聞けば、モブリズにいる恋人が送ってくださったのだそうです。
モブリズ・・・私が訪れた時は廃墟で人の姿はありませんでしたが。
とにかく。その時見せていただいた手紙には───

“愛するローラへ。
村の再建も一区切りついて・・・そろそろ国へ帰ろうと思っていたところでござる”

───と。それはもう、とんでもなく達筆な字で綴られていました。
多分ご覧になった皆さんが口にしたいけれども、ローラさんの手前しなかったのだと思います。
ローラさんは恋人からの手紙だと大層喜んでましたから。
彼女の返信の手紙を頼まれた私達はそれを快く受け取ると、家を出て一斉に集まりました。
おもむろに冒頭の言葉を切り出した私に、エドガーさんは一度頷かれます。

「まぁ十中八九カイエンだろうな」
「ああ。すげー達筆だもんな」
「そこかよ。つーか、普通“ござる”って文章に書くか?」
「癖なんでしょ?」
「しかしモブリズは廃墟の筈だ。
かの恋人と思われる人物がいるとは到底思えないが・・・」

そこなんですよね。ローラさんは彼がモブリズにいると思っています。
でもガストラの力で無人の廃墟になっていますから、手紙が送られてくる筈が無いんですよね。
そしてこの語尾の“ござる”・・・・仮に手紙の主がカイエンさんではなくてもドマ国に関係する方なのは間違いないでしょう。

「とにかくこの手紙を伝書鳥で運んでもらうとするか。
これで向かう方向だけでも分かる筈だ」
「そうですね」

家の外で良い子に待っていた伝書鳥に手紙をくくりつければ、大きく羽ばたくと1つの方角を目指して飛んでいきました。

「あれは・・・・・・北、かしら?」
「マランダの北であればジドールとかになりますかね」

オペラ座やゾゾもありますが。

「とはいえ、今は地形も相当変わってしまったからな。
飛空艇で行ってみた方が早いだろう」
「ではまたフェッカを飛ばしますか?」
「いや。あのサイズの鳥だ、そこまで遠くは飛べないだろう」

だ、そうですよ?フェッカ。
チラリとレオさんの肩のフェッカへと視線を向ければ1つため息で返されましたが。

「飛空艇は何時でも出せるぜ。すぐに出発するか」
「そうだな」

セッツァーさんの言葉に頷くと、私達は早速と飛空艇へと乗り込みました。
甲板まで出ると一気に飛空艇が浮上します。

「鳥が向かったのはあっちだったよな」
「ふーむ、どうも雨雲がかかってんな・・・。
それにあの山に囲まれた地形・・・ゾゾか?」

マッシュとセッツァーさんが鳥の向かっていた方角へと視線を向けますが・・・・。
ゾゾ。と言うと常に雨が降っているとされる特徴的な町ですよね。
前にティナを探していた時も雨模様でしたし、あまり治安も良くないとのお話でしたか。

「流石にゾゾの治安を考えると飛空艇を無人では置いとけねぇな。
俺は飛空艇に残るぜ」
「ふむ。そう言えば飛空艇のメンテナンスもあると言っていたな?
それなら私も残って手伝おう」
「お。フィガロの国王様直々のメンテナンスたぁ楽しみだな」
「何、世界最速の翼に私も興味がわいただけさ」

そう仰って、エドガーさんは一度ウインクして見せます。
どこかワクワクした雰囲気がありますから元々機械を触るのがお好きなんですかね?

「じゃ、悪いがカイエンの回収は後の奴らに任せるからな」
「おう!任されたぜ!」

セッツァーさんの言葉にマッシュが大きく頷いて・・・。
そうして私、マッシュ、セリスさん、レオさん、カーバンクルとフェッカでゾゾへと向かうのでした。

久しぶりのゾゾは相変わらずの雨模様ですね。
ガストラの裁きの光も此処には落ちなかったのでしょうか?あまり変化は見られませんし。
カーバンクルは私の頭とフードの間、フェッカは定位置となりつつあるレオさんの肩に留まります。
乗ってるといってもあまり重たくはないんですよね。
仮の身体があるとはいえ元は魔力の塊ですから、重量とか関係無いのかもしれませんが。

『うへー。雨とかジメッとして辛気臭ぇなぁ』
「そういう土地柄のようですからねぇ」

そればかりは何とも。私はフードを被っていますしカーバンクルも乗っかっているので多少は防げますが・・・あ、いえ嘘です。
ローブは防水加工されてませんから、この雨量だとすぐに染み込んでしまいますね。
大丈夫ですか?カーバンクル。既に被毛から水滴が滴っていますけれど。

こそ全身べっちょりしてんじゃん。
あー。とは言えお前の毛色は珍しいしソレ脱ぐなよなー』
「はい、そこは自分でも自覚していますから大丈夫ですよ」

この瞳の色はどうしても人目を引きますから。

は大変よね」
「セリスさんも気を付けた方が良いと思いますけれど」
「そう?」

濡れて艶やかさを増した金髪も、整った顔立ちもとても目立ちますし。
全身濡れたお姿はなかなか色気もありますし。そもそも女性は危ないという話ですしね?

「ま、俺達がいるから大丈夫だろ」
「そうだな。セリスもも私達が何を置いても守って見せよう」
『おう。勇ましいこったで何よりだ』
「じゃあ護衛は任せようかしら?ね、
「ふふ、そうですね」

確かに。そのお言葉はとても頼りになりますものね。

「・・・・・・あら?」

不意に、セリスさんが立ち止まります。
私達もそちらへと視線を向ければ・・・・・・伝書鳥ですか?括った筈の手紙はもう無いですね。
でも新しい手紙や造花を持っている様子もなく、ただ私達をじっと見つめています。

「迎えに来てくださったんですか?」

伝書鳥に訊ねれば、ピィと一度小さく鳴いて鳥は飛んでいってしまいました。
んん?建物を越えて行きましたね。もっと向こう・・・・・・山、でしょうか?

「本当に案内しに来たのかしら?」
「良く分かったな、
「いえ。そうだったら良いな、程度の話ですよ?」

半分冗談のつもりでしたし。

「だがカイエン殿があの山にいるならば、次はそこへ行く方法を探さなければなるまい」
「ま。そこら辺は考えたって分かんないしな。とにかく情報を集めてみるか!」
「ああ、そうだな」

力強く頷くと、私達は情報収集にあたります。
とは言え、どうもこの町の方の多くは嘘吐きと言いますか。あべこべな事を仰っているんですよね。
セリスさんが前回を覚えて教えてくださいましたから情報の取捨選択が出来ましたが。
そうして聞き込みをしていれば“この町はデンジャーだぜ”と前置きをしてくださった方が山への情報を教えてくださいました。
話によると、どうやらパブの看板があるビルからゾゾ山へ通じる道があるのだとか。
土地柄、無償という訳にもいかないでしょうから情報料に幾らかのチップを渡せばその男性はそれを受け取りながらも破願します。

「お前らは変な奴らだな。この町ってのは奪うか奪われるかだ。
要求する前に支払われるなんてな。だがこのチップの礼に1つだけ情報を追加してやるぜ。
大分前の話だが、前にも剣士みたいな風貌の余所者が此処に来て山への道程を訊いてきたんだぜ。
何か思い詰めたような、悩むような顔をしてたがな」
「カイエンかしら?」
「可能性は高いですね。・・・ありがとうございます」
「オレみてぇなコソドロに礼なんて言ってんなよ。
対価に見合ったもんを提供しただけだぜ」

笑う男性はそれでも“気を付けるんだぜ”と気遣う言葉をかけると軽く手を振って去っていきました。

それにしても・・・・・・思い詰めたようなお顔をされていた、と言う事でしたが。
大丈夫でしょうか?カイエンさんは本当にすぐ自分の中に思いを溜め込んでしまわれますから・・・・ええ、その点は少し心配ではありますね。

「そんな顔しなくてもカイエンなら大丈夫だろ。
心配しすぎんなよ、
「・・・・・・そう、ですよね」

確かに。思いを溜め込んで、落ち込むだけで終わる方ではありませんから、きっと。
心配であるという思いは変わりませんが・・それを確認する為にも行かなくてはいけませんね。

「真偽を確かめる為にも、行ってみるしかないだろうな」
「そうね」
「折角の手懸かりだしな。よっしゃ、行こうぜ!」

重くのし掛かる空気を払うようにマッシュは1つ笑みを見せて、歩きだします。
あの男性の言っていたパブの看板があるビル内には、怪しい錆び付いた扉が1つ。
それをマッシュが容赦ない鋭い蹴りでこじ開けました。
・・・先程は明るく振る舞っていましたが、やはりカイエンさんが心配なのでしょうか?
いえ、大切な仲間がいるとなれば当然の想いでしょう。私もそうですしね。


「コルツ山のような山道ではないんですね」
「洞窟がメインっぽいな」

薄暗い洞窟内は、多少の湿気はありますが雨に濡れない分動きやすいですね。
内部は広いのですが橋が崩れたりしていますから通れる道は限られていますし、これならカイエンさんとすれ違う確率は少ないでしょう。
魔物は素早いですが私とセリスさんの魔法で援護しつつ、レオさんとマッシュが確実に倒してくださったのでなんとかなりました。
やたらがめつい熊にお金を盗まれた時は流石に慌てましたが・・・それはさておき。
危なげなく進んでいけば、不意に頭に乗っていたカーバンクルが離れます。

「カーバンクル?どうされましたか」
『おう、悪いがちょっと離れるぞ』

離れる?

「私もご一緒した方が?」
『いや、コイツらと先進んどけ。と合流すんのは簡単だからな。
ま、ちょっとした寄り道だから気にすんなよ』

ぽすん。と、小さな前足を一度私の頭に乗せてから、カーバンクルはフェッカへ視線を向けました。

『ほれ、行くぜ。鳥』
「フェッカもですか?」
『つーか、コイツがメインだな。
俺がやる気出してる間についてこいよー』

ふわりと空気に溶けるように消えるカーバンクルに、フェッカも羽ばたいて後を追いますが・・・。
フェッカがメインですか。それは一体どういう事なのでしょう?

「良いのか?」
「・・・ええ、カーバンクルなりに考えがあるんだと思います」
「ふーん。なるほどな?」
「え。何か悪い事じゃないでしょうね」

セリスさんの警戒する様子に思わず苦笑してしまいますが。

「んー・・・多分、大丈夫かと」
「多分なのね」
「ふふ。冗談です。
とにかく山頂に向けて移動してみましょうか」

どこでカイエンさんとお会いできるかも分かりませんし。
フェッカに関わるのであれば悪い事ではないのでしょう。
まぁ彼にとってどうかは分かりませんが。カーバンクルはフェッカに容赦しませんから。
考えながらも更に山を奥へと進んでいけば、薄暗い洞窟内に突然鮮やかな色が飛び込みました。

「これは・・・造花か?」
「みたいですね。とてもお上手ですけれど・・・」

マッシュが手にしたそれは丁寧に作られて花束になっています。
これ、ローラさんのお宅にあった物と似てますね。此処で作った物を贈ってらしたのでしょうか?

「机に手紙があるわね。
書き損じみたいだけれど・・・」

セリスさんが手にしたそれは確かに何ヵ所かインクの滲みが見えています。
“ローラへ”から始まったその手紙には、最初に謝罪の言葉が綴られていました。

恋人の代わりに手紙を書いていた事。
真実から目をそらし続け、嘘の現実に浸るのではなく。
過去に縛られ未来の時間を無駄にするのではなく。前を見る事を思い出して欲しいと。
そして、愛するという事を思い出して欲しいのだと・・・。

末尾には、彼女の恋人の名前ではなくて“カイエン”と記されていました。
やはりカイエンさんだったんですね。
いえ、そうかなぁとはずっと思っていたのですが・・・・・・一応。
奥には更に光が溢れていますから此処は小さなトンネルのようになっているようです。

「入れ違いでなければ良いけど・・・」

呟きながらセリスさんが先導して奥へと進みます。
その後をついていけば───。

「わぁ・・・」

雨雲がかかっているからでしょうか?晴れた空と見事な雲海を眼下に望む光景。
此処がゾゾ山の頂上なんですね。神秘的なその先にある崖にはカイエンさんの姿がありました。
彼に手紙をくくりつけられたあの伝書鳥は今まさにと飛び立ち、雲の下へと消えていきます。

「カイエン!」
「カイエンさん!」

マッシュと同時に声を掛ければ、彼の瞳が私達を捉えて驚いたように見開かれました。

「マッシュ殿!殿!
おお。皆、無事であったか!!」
「カイエンさんもご無事で良かったです・・・」
「まさかこのような場所で再会出来ると・・・は・・・?
むむ?そういえば皆は何故此処へ?」
「おう、マランダで───」
「マランダ!まさか儂の手紙を・・・っ!?」

あらら?血相を変えて洞窟内へ走って行ってしまわれましたが。
マッシュと顔を見合わせて、思わずふと笑います。

「私達があっちから来たの、分かってるのかしら?」
「あのように隠すものでもないだろうに」
「本当ですね」

邪魔しないようにひっそりと洞窟内を覗き込めば、予想通りカイエンさんはお手紙や造花の花束を一纏めに隠して・・・いえ、全く隠しきれてないのですけれど。
忘れているのか1つだけ残された花束を手にすれば、狼狽えたカイエンさんは私の腕の中の花束を見ながら“あー”や“うー”なんて謎の言葉を呟いています。

「これは・・・いや・・・その・・・ちょっとした趣味の1つでござるよ」
「そうなんですね。とてもお上手です」

流石、ご趣味にされるだけはある腕前です。
誰かを想って作られたそれは、その想いが伝わるような優しさが滲む出来栄えですから。

「むむっ!殿!!」
「ぇ?」

大股で近付いて来て・・・・・・ええええっと!?
私、何かおかしな事を言ったでしょうか?
目の前まで来たカイエンさんを見上げながら幾度か瞬きをしていれば、彼はふと相好を崩しました。

「ホントでござるか?」

・・・・・っ!もう!ビックリしました!
珍しい茶目っ気のある冗談に思わずくすりと笑えば皆さんも笑い出します。
カイエンさんも同じように笑うと、もう一度私の腕の中の花束を見つめました。

「儂の拙い品で良ければ、殿にプレゼントするでござるよ」
「本当ですか?嬉しいです、ありがとうございます!」
「そのように喜ばれると照れますな。
・・・・・・ああ、マッシュ殿!他意はないので気にせずとも良いでござるよ」
「・・・・・・っ!いや、別に気にしてる訳じゃないからな!」

んん?どうかしたのでしょうか?
見上げますがお顔を隠されてしまったのでその表情は分かりませんが。
それからカイエンさんは1つ咳払いすると、真剣な表情を私達に向けました。

「マランダを偶然訪れた際に、手紙を待っている娘に会ったでござる。
娘はもう返事が来ない事を知っていながら、それでも毎日手紙を書いていた・・・。
儂は見るに見かねて・・・・・・」

恋人のフリをしてお手紙を書いていた、という訳ですね。

「手紙を書きながら自分でもあの娘と同じ事をしているのに気付いた。
本当は、前を向いていないと・・・。
儂はもう目をそらすまい。そして今度こそ前に進むでござるよ」
「カイエン・・・」
「うむ。儂も共に行くでござる!
世界をこのまま放っておく訳にはいかないでござるよ!」
「おう!一緒に世界を取り戻そうぜ!!」
「勿論でござる!」
「カイエンさんがご一緒ならとても心強いです」

きっと・・・迷いが晴れた訳では無いでしょう。
先程から何かとてつもない違和感がありますし。きっと、まだ・・・。
でもほら。何時か迷いの晴れるその時まで、私もマッシュもご一緒しますから・・・ね?
カイエンさんのその強さを私達は信じていますから。
・・・今すぐではなくても、絶対に大丈夫なのだと。

それからカイエンさんから“マランダでガウに会った”事と“多分、獣ヶ原へと向かっただろう”という情報を頂きまして・・・そうしたら次は獣ヶ原でしょうか?

「とにかく一度飛空艇に戻───っうぉ!?」
『あー・・・疲れた』
「何でわざわざ目の前に出てくるんだよ!」
『さてな。お前が丁度そこにいただけだろ?』
「お帰りなさい、カーバンクル」

ニヤニヤと悪い笑顔をしていますからワザとなのは分かりますが。
とにかくとテレポを使ったのか唐突に現れたカーバンクルに声を掛ければ、ふぅわりと私の頭の上へと戻りました。

『お。、良いもん持ってんじゃねーか』
「はい。カイエンさんからいただいたんですよ。
飛空艇に戻ったら早速飾らないとですねー」
『いいなー、それ。物に篭った想いってのは持ち主にも影響があるからな。
誰を想ったかは知らねーが、良い感情がありそうな───』
「──・・・っは!!
あわわわ!いや、これは趣味の1つであって何か意味があるものでは・・・っ!!」

慌てふためくカイエンさんに、カーバンクルは怪訝な顔をしますが・・・まぁ、ほら。照れ隠しなのは初対面でも分かるでしょうから。
あのですね?そんな悪い笑顔を見せなくても良いと思いますよ?

『ふーん、へー。趣味ねぇ?』
「そ、そうでござる!」
『ま。それならそれで別に良いけどな』

“俺には関係ねーし、悪いもんでもねーしな”とカラカラ笑って見せました。
それにしても・・・ですね。チラリと視線を向ければ如何にも疲れを滲ませたフェッカがいます。

「ボロボロだな、フェッカ」
「お前は一体何をしていたんだ?」

心なしか羽も艶を失ってバサバサしていますけれど。
離れて何をしていたのでしょう?珍しくお疲れに見えます。

「大丈夫ですか?フェッカ」

触れようとすればフェッカはすり抜けるようにして定位置へと戻りました。
ええ、つまりはレオさんの肩ですね。

。お前は触んなよ』
「・・・・・・?分かりました」

その言葉は真剣みを帯びていましたから、私は素直に頷きます。
理由は分かりませんが必要な事なのでしょう。
・・・そう言えば私はフェッカに触った事がないですね。
魔列車で起こしてしまった時に触れた時位ですか。私が触れると彼に何か起こるのでしょうか?
幻獣に関しては知らない事も多いですからね。

「とにかく一度飛空艇に戻ろうぜ。
兄貴達にも報告しなくちゃいけねーしな」
「飛空艇!あの時に墜落したのではござらんか?!」
「それも含めて説明しよう。
私達の今の状況も、今後するべきと考えている事も」

レオさんの言葉に、カイエンさんは強く頷いたのでした。



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